僑務委員会(海外在住の台湾出身者に関する業務全般を管轄する省庁、僑委会)は21日、台北賓館で「中華民国第16代総統・副総統就任茶会」を開き、就任式典参列のために帰国した海外在住の台湾出身者に感謝した。
「就任茶会」は、国家交響楽団(台湾フィルハーモニック、NSO)によるクラリネットと弦楽四重奏(カルテット)の室内楽組曲で幕を開け、続いて台東の先住民族によるAMIS旮亙楽団がオリジナルの楽曲3曲を披露した。
頼清徳総統は、これから蕭美琴副総統や行政院の卓栄泰院長(首相)とともに努力し、台湾社会の各方面の力を集結して繁栄した国造りに取り組むことを約束。「4つの大きな使命」として、これからも国家を存続させるための発展に取り組み、台湾の主権を守ること、平和を維持し、「へつらわず、高ぶらず」に現状を維持することを原則とすること、国防の力と経済の安全保障を強化し、台湾の人々の収入を守ること、全力で経済発展に取り組み、台湾を世界に受け入れてもらい、国際社会に貢献することを挙げた。
蕭美琴副総統はスピーチ前に、頭の上で両手で大きなハートを作る、いわゆる「サランへポーズ」を作って会場を沸かせた。蕭副総統は続けて、海外在住の台湾出身者が遠路はるばる帰国し、台湾に関心を寄せてくれたことに感謝した。また、こうした海外在住の台湾出身者が、台湾の民主化の道のりにおいて、常に台湾に住む人々に寄り添い、台湾外交のための重要な後ろ盾となってきたこと、台湾人が持つ善良さや寛大さの代表として、世界における「善良な力」になっていることにも感謝した。蕭美琴副総統はさらに、自分が身に着けていたスカーフについて、若いデザイナーがNASAと協力して作ったもので、衛星から見た台湾の地図をデザインしたものだと紹介。副総統就任の翌日にこれを身に着けたのは、このスカーフが台湾の声を代表するもので、台湾の人々から託された力と、台湾を前進させるという責任を負うことを象徴するものだと説明した。
行政院の卓栄泰院長は、頼清徳総統が就任演説で「台湾を経済分野において『太陽の沈まない国』とし、太陽の光が降り注ぐところに必ず台湾企業があるようにしたいと述べたことを踏まえ、「海外在住の台湾出身者たちが太陽の光を台湾に持ち込み、台湾の民主主義の光を世界に伝えてくれることに感謝する」と述べた。
僑務委員会の徐佳青委員長は、世界各地から台湾出身者たちがわざわざ帰国し、正副総統就任式典に参列してくれたことに感謝した。また、近年台湾は経済・貿易、医療、科学技術、民主主義・自由など各方面で国際社会から評価され重視されているとして、これからも頼清徳総統と蕭美琴副総統の指導の下、台湾、そして海外在住の台湾出身者たちを引っ張って行って欲しいと期待を寄せた。